FIFA ワールドカップ 2026 ハンガリー
FIFA ワールドカップ 2026 ハンガリーとは、2026年に北米3カ国(アメリカ・カナダ・メキシコ)で開催された第23回FIFA ワールドカップ 2026における、ハンガリー代表サッカーチームの活動および予選結果を指す。ハンガリーはUEFA欧州予選グループFに配属され、ポルトガル・アイルランド共和国・アルメニアと同組で戦ったが、2025年11月の最終節でアイルランドに逆転負けを喫して3位に終わり、本大会への出場権を獲得できなかった。1950年代に「マジック・マジャール」として世界を席巻し、FIFAランキングでは歴史的な強豪国として知られるハンガリーにとって、本大会出場は悲願であり続けている。2026年大会の予選を経て、その夢は再び次の機会に持ち越しとなった。
ハンガリー代表の概要と歴史
ハンガリー代表(Magyar labdarúgó-válogatott)は、ハンガリーサッカー連盟(MLSZ)によって組織される男子ナショナルチームである。ホームスタジアムはブダペストのプシュカーシュ・アレーナで、2019年11月に開場した最新鋭の施設である。FIFAワールドカップには通算9回出場し、1938年フランス大会と1954年スイス大会で準優勝を果たした実績を持つ。また、オリンピックでは1952年・1964年・1968年に金メダルを獲得しており、20世紀中盤においては紛れもなく世界最強クラスの国であった。チームの最多出場記録はバラージュ・ジュジャーク(109試合)が持ち、得点記録では伝説的なフェレンツ・プシュカーシュが84得点を記録している。
マジック・マジャールの黄金時代
ハンガリー代表史上最も輝かしい時代は1950年代初頭、世界が「マジック・マジャール(Magic Magyars)」と称賛した黄金期である。1950年から1954年にかけてナショナルチームとして33連勝という驚異的な記録を達成し、同時期の世界最強国として君臨した。1953年11月にはサッカーの母国イングランドをウェンブリーでアウェーながら6対3で撃破し、翌1954年にはホームで7対1と再び大差をつけて勝利した。フェレンツ・プシュカーシュ、シャーンドル・コチシュ、ナーンドル・ヒデクティらを擁するこのチームは、1954年スイス大会でも優勝候補の筆頭に挙げられたが、決勝で西ドイツに3対2の逆転負けを喫し惜しくも準優勝に終わった。この大会はFIFAワールドカップ史における最大の番狂わせのひとつとして語り継がれている。
長期低迷とリバイバル
1956年のハンガリー動乱による有力選手の大量流出は、代表チームの実力を急速に低下させた。1986年メキシコ大会を最後に本大会出場が途絶え、1996年にはFIFAランキングが87位まで落ちるという歴史的な低迷期を経験した。しかし2016年のUEFA欧州選手権では11大会ぶりに本大会出場を果たし、グループ首位で決勝トーナメントに進出するという復活劇を演じた。UEFA EURO 2020にも出場したが、グループリーグで敗退した。UEFA EURO 2024にもドイツ大会への出場権を獲得し、グループリーグでスイスに1対3、ドイツに0対2で敗れながらも、スコットランドに2対1で勝利して最後まで16強争いに絡む健闘を見せた。2016年以降に3度連続でEURO出場を果たしたことは、チームの体制が確実に立て直されていることを示している。
マルコ・ロッシ監督体制
2018年6月からイタリア人のマルコ・ロッシが代表監督を務めている。2012年にハンガリーリーグのホンヴェード監督に就任して2016–17シーズンにリーグ優勝を果たし、2018年に代表監督に転身した。就任後は規律と組織力を重視した堅固な守備ブロックと素早いカウンターアタックを軸にしたスタイルを浸透させ、欧州大会での存在感を高めた。主将のドミニク・ソボスライ(リバプールFC)を中心に、バルナバーシュ・ヴァルガ(セルティックFC)、ローラント・サライらがチームの核を担い、2025年のグループステージ予選でも持ち前の組織力を発揮した。
2026年W杯欧州予選グループF
FIFA ワールドカップ 2026 ハンガリーの欧州予選は、2024年12月13日の組み合わせ抽選の結果、グループFに振り分けられた。同グループはポルトガル・ハンガリー・アイルランド共和国・アルメニアの4カ国で構成され、2025年9月から11月にかけてホーム&アウェー形式の総当たり戦が実施された。グループ首位のチームが本大会出場権を直接獲得し、2位のチームはプレーオフに進出するレギュレーションが採用された。
| 順位 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ポルトガル | 6 | 4 | 1 | 1 | 20 | 7 | +13 | 13 | 本大会出場 |
| 2 | アイルランド共和国 | 6 | 3 | 1 | 2 | 9 | 7 | +2 | 10 | プレーオフ進出 |
| 3 | ハンガリー | 6 | 2 | 2 | 2 | 11 | 10 | +1 | 8 | 敗退 |
| 4 | アルメニア | 6 | 1 | 0 | 5 | 3 | 19 | −16 | 3 | 敗退 |
予選の試合経過
グループFの試合は2025年9月から11月にかけて行われた。第1節(9月6日)ではハンガリーがホームでアイルランドと対戦し、バルナバーシュ・ヴァルガとローラント・サライの得点で2対0と先行した。しかしサライが49分に失点後の怒りからレッドカードを受けて退場となり、数的不利の状況で逆転を許して2対3の逆転負けを喫した。第2節(9月9日)のポルトガル戦ではアッティラ・サライが8分に先制したものの、ロナウドに22分・45分と連続ゴールを決められ、ドミニク・ソボスライの90分+1のゴールで2対2の引き分けに終わった。第3節(10月11日)のアルメニア戦はアウェーで1対0の勝利、第4節のホームでのアルメニア戦は2対0で勝利と、格下相手には確実に勝点を積んだ。しかし第5節(11月13日)のポルトガル戦はアウェーで2対3の敗戦、最終第6節(11月17日)のアイルランド戦でも2対3と再び逆転負けを喫して、グループ3位で予選を終えた。
主要選手
予選を通じてチームをけん引した主要選手はいずれも欧州主要リーグで活躍するプロである。
- ドミニク・ソボスライ(リバプールFC):主将でミッドフィールダー。高い技術とリーダーシップを兼ね備え、ポルトガル戦でのゴールを含むチームの精神的支柱である。
- バルナバーシュ・ヴァルガ(セルティックFC):フォワード。今予選で複数ゴールを記録し、チーム最多得点を争う得点源として奮闘した。
- ローラント・サライ(フライブルク):ウイング。スピードと技術を活かした攻撃で貢献したが、第1節でのレッドカードが痛かった。
- ペーテル・グラーチ(RBライプツィヒ):GK。堅実なセービングでチームを支えた守護神。
- アンドラーシュ・シェーファー(ユニオン・ベルリン):ボランチ。守備と攻撃の両面で貢献し、豊富な運動量でチームの心臓部を担う。
予選敗退の背景
ハンガリーの予選敗退を決定づけた最大の要因は、強豪ポルトガルとの同組という組み合わせの厳しさと、アイルランドに対して2試合とも終盤に逆転を許した勝負弱さにある。第1節のアイルランド戦では10人の状態で逆転されており、退場処分が試合の流れを大きく変えた。また2025年初頭にはUEFAネーションズリーグの入れ替えプレーオフでトルコに1試合目1対3、2試合目0対3と合計1対6の大差で敗れてリーグBへ降格するなど、ネーションズリーグでも振るわなかった。この時期の不振がチームの勢いに影響を及ぼしたとも指摘されている。総じて出場国入りを目指す道のりの中で、クオリティの高い相手に対して脆さを露呈した大会となった。
ワールドカップ出場歴の一覧
ハンガリー代表のFIFAワールドカップ出場歴は以下のとおりである。1986年大会以降は長期にわたって予選で敗退し、本大会出場から遠ざかっている。2026年大会の予選敗退により、本大会不出場は11大会連続となった。
- 1934年(イタリア):ベスト8
- 1938年(フランス):準優勝
- 1954年(スイス):準優勝
- 1958年(スウェーデン):グループリーグ敗退
- 1962年(チリ):ベスト8
- 1966年(イングランド):ベスト8
- 1978年(アルゼンチン):グループリーグ敗退
- 1982年(スペイン):グループリーグ敗退
- 1986年(メキシコ):グループリーグ敗退
- 1990年〜2026年:予選敗退(11大会連続)
UEFA EURO 2024の成果と今後
2026年ワールドカップ予選敗退の一方で、ハンガリーは近年の欧州選手権で存在感を発揮している。UEFA EURO 2024(ドイツ)では、スイスに1対3で敗れる苦しい出だしとなったが、スコットランドに2対1で逆転勝利し、ドイツ戦も0対2ながら大会後半まで可能性を残して戦った。3大会連続のEURO出場はハンガリーが中堅欧州国として着実に力を蓄えていることの証拠であり、W杯の舞台への再挑戦は2030年大会に向けた次の課題となる。ドミニク・ソボスライら中心選手はまだ20代であり、チームの熟成と経験の蓄積により、次の欧州予選での巻き返しが期待されている。
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